フォト

twitter

ほしい物リスト

無料ブログはココログ

トップページ | 2011年11月 »

2011年10月

2011年10月28日 (金)

ストップ!過労死 100万人署名

 今ある劣悪な労働環境、そしてそれを容認してしまう社会に対し疑問を持ち、行動しているのはもちろん私だけではありません。今回紹介するのは「全国過労死を考える家族の会」の呼び掛けで始まる「ストップ!過労死 100万人署名」です。こちらの団体を構成するのは、実際に過労死で家族を亡くされた遺族がほとんどだそうです。私は「人の命はかくも軽い」で、実際に働くことで人が亡くなっているのにも関わらず、それに対し何の対策も講じない政府や社会に怒りを感じている旨を書きました。しかし、実際に家族を亡くされている方の怒りや悲しみは、私の比ではないでしょう。ましてやその原因が本来避けられるべきものであれば、なおのことです。

 この署名運動は、過労死をなくすための法律の制定を目的としています。現在は過労死そのものを防止するための法律は整備されていないのです。まずそのことに私は驚きました。運動の主な主張は以下の3つです。

 1 過労死はあってはならないことを、国が宣言すること
 2 過労死をなくすための、国・自治体、事業主の責務を明確にすること
 3 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと

 11月18日には、衆議院第一議員会館にてスタート集会及び結成総会が行われるそうです。関心がある人はぜひ参加してみてください。

 私はこの運動を全面的に支持しますし、署名も行いました。多くの人の協力が得られることを願っています。

 スタート集会の詳細はこちら

2011年10月27日 (木)

セーフティネットが正社員を守る

 今回も分断支配につながるお話ですが、テーマはセーフティネットです。セーフティネットは人々のより質の高い生活を実現するために、政府や自治体が実施する社会政策です。セーフティネットと聞くと一部の困っている人が利用するものだと思いがちですが、セーフティネットは社会に生きるすべての人になくてはならないものなのです。

 というのも、セーフティネットは困窮している人の支援策だけを指す言葉ではないのです。セーフティネットは大きく3段階に分かれます。1つめは雇用のセーフティネットです。雇用が確保され、安定的に収入がある状態もセーフティネットと解釈します。2つめは雇用保険です。雇用保険は失業した際に再就職までの生活を支えるセーフティネットです。3つめのセーフティネットは生活保護です。これは何らかの理由で働けなくなり、生活のための資産がなくなってしまった人達の生存権を守るためのセーフティネットです。

 さて、セーフティネットでこれだけ手厚く保護されているのだから、この社会はなんて生きやすいのでしょうとお思いかもしれませんが、この国ではこのセーフティネットが穴だらけで、正常に機能していません。雇用のセーフティネットに関して言えば、不当な解雇によりいきなり職を奪われたり、長時間勤務で心身を病み働けなくなったりと、労働法を適切に運用していれば防げるはずの事態が起きています。雇用保険に関しては、本来受給できるはずの人の21.1%しか受給できていません。しかも、2000年の法改正でそれまで最高300日だった給付日数が180日に短縮されました。EU諸国では失業保険の受給要件を満たさない失業者に対し、失業手当を支給する制度があり、イギリスとフランスでは無期限、スウェーデンでは最高600日受給できます。しかし、日本にはそのような雇用保険の穴を埋める制度はありません。生活保護に関しては、本来保護が必要な人の19.7%しか受給していません。雇用保険と同様5人に1人です。なぜこれほどまでに低い捕捉率(給付が必要な人数のうち、実際何人に支給しているかの割合)に止まっているかと言えば、自治体が申請を受け付けずに追い返す「水際作戦」が横行していることがあるでしょう。こうして生活保護を得ることができなかったできない人は、どんなに厳しい条件でも日雇いや住み込みの仕事しか得られず、再起が不可能な状況に陥ってしまいます。信じられないようなことですが、これだけ経済力を持つ日本でも年間1000人以上の餓死者が出ています

 セーフティネットの穴について、こちらのブログに詳しくまとめられていますので、ぜひご参照ください。
 『貧困』を考える-2.捕捉率19.7%
 『貧困』を考える-4.雇用保険受給率21.1%
  ↑こちらのブログの貧困に関する一連の記事は、現状を詳しく分析し深い考察がなされています。しつこいですが、ぜひ一読を。

 このように、セーフティネットが正常に機能していない社会では、今は安心して生活できている人も何かの拍子に一度道を踏み外すとどん底まで落ちてしまいます。そんな社会を「すべり台社会」と呼びます。このような社会では、誰しもが生活困窮状態に陥る可能性と背中合わせになります

 ここまで、三段階のセーフティネットを紹介してきましたが、このうち問題になるのが第三のセーフティネット―生活保護です。なぜ生活保護が問題になるかと言えば、その財源が税金だからです。働いている人が納めた税金が働けない人の生活を支えるわけですから、単純にその面だけを見れば働いていることが損のように感じ、できれば税金をそんな用途に使わないでほしいと思う人もいるようです。働く能力があるか否かの判定、働く意思の有無による支給すべきかどうかの判断に関しては、議論の余地が多く、ここでは触れないでおきます。ただ一つ言えることは、セーフティネットのための財源を支払うことは、働いている人の安定した生活を守る上でも重要だということです。

 セーフティネットから抜け落ちた人がどうなるか考えてみると、その仕組みがわかります。そういった人達は、路上生活を送るか、犯罪に手を染めるか、もしくは死ぬか、という道しか残されていません。現在は貧困率の高まりが犯罪の増加を促すという事態には落ちいていないようですが、今後法を犯さなければ生きていけないという人が増えれば、強盗や誘拐といった犯罪が増える可能性はあります。そうなれば、この社会は誰にとっても生きにくいものになるでしょう。また、セーフティネットから漏れた人達は、生きるためにはどのような条件でも働かざるを得ず「NOと言えない労働者」となります。どんな低賃金や労働時間を要求しても断れない労働者が増えれば、今正社員として働いている人の地位も危うくなります。経営者としては、なるべく人件費を抑えたいわけですし、高コストとなる正社員の枠を減らしていくでしょう。実際2008年には労働者に占める非正規社員の比率は34.1%に上りました。また、不当解雇を行った結果、正社員の仕事の量が増え、長時間勤務の常態化を促す要因にもなっています。セーフティネットの穴を放置することは、今健全に働いている人の労働環境も脅かすことになるのです。セーフティネットは決して困窮している人を一方的に救いあげるだけのものではなく、健全な労働環境を守る働きも担っているのです。

 残念なことに、自立生活サポートセンター・もやい及び反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏のもとには、「生活保護申請の手続きの手ほどきなどするな!」という抗議が寄せられることがあるそうです。しかし、そういった人達には、セーフティネットが彼ら自身の立場を守っているという面が見えていません。私はこの活動を通して、セーフティネットの役割の正しい理解を広めたいと思っています。

 今回のデモのターゲットはブラック企業ですが、それは第一のセーフティネットである雇用、そして第二のセーフティネットである雇用保険を適切に運用するべきだという主張の手段なのです。今年、生活保護の受給世帯数は過去最高に達したそうです。財源の問題も避けては通れませんが、そもそも生活保護を受けなくても生活できるようなシステムが正しく運用できていればこのような事態にはなっていないのです。だからこそ私はより予防的な公的支援に重きを置くべきだと考えています。

 私は「ブラック企業など潰れてしまえ!」と言いたいのではありません。その存在を許してしまう政府や世間に、現状の悲惨さ、早急な対応の必要性を訴えたいのです。

2011年10月26日 (水)

公務員が激務であることの意味

 前回の記事、及び「反貧困世直し大集会2011 公務員も民間の社員も連帯せよ!」にも書きましたが、この社会にはびこる異常な労働環境を改善するためには、立場の異なる労働者が連帯することが不可欠であると私は考えています。この記事では、その重要性を公務員にスポットを当てて考えてみたいと思います。

 昨今の財政難を背景にメディアが盛んに公務員の厚い待遇をやり玉に上げ、節税の名の下に公務員叩きを繰り広げるなか、公務員と民間企業の社員との溝は深まるばかりです。しかし、私は公務員の待遇の向上はすべての労働者の地位の向上につながると考えています。その根拠は以下の3つです。

1.公務員の勤務形態がすべての業種の勤務形態のひな型となる
2.労働市場の審判員の増員が、労使関係の正常化を促す
3.教育に関わる職員を増員し、権利教育の充実を図る

 まず1つ目の根拠についてですが、これは政府がこの国の労働環境の正常化にそれほど真剣に取り組もうとしているかを示す一つの指標になります。国家公務員に限って言えば、政府と職員は労使関係にあたります。その関係を政府自体が正常に結んでいないのであれば、当然外部(民間)の労使関係の正常化への意欲など望むべくもありません(もともと意欲云々の問題ではなく権利の保護は政府の義務ですが…)。では、現在の公的な労使関係はどうなっているかと言えば、とても正常なものとは言えません。官製ワーキングプアという言葉が示す通り、非正規公務員は人件費削減の口実として枠を増やしていますし、厚生省に勤める職員は過労死ラインを超える長時間勤務に耐えています。これがどれほど異常なことかおわかりいただけるでしょうか。本来であれば率先垂範で正常な労使関係を実現すべき政府がこのような状態では、民間の労働者の権利に目が向けられることはないでしょう。官製ワーキングプアについて詳しく知りたいという方はこちらのブログをご覧ください。「官製ワーキングプア - 違法だらけの職場で非正規は正規公務員の5分の1以下の年収

 ただ、公務員叩きの際にイメージされるのは、態度ばかり大きく能率的に仕事をしない、いわゆる「お役所仕事」と呼ばれる態度で働く公務員でしょう。そういった職員が存在することは否定できませんし、公的サービスの質や財政面を考慮すればそういった職員が批判の対象になるのは当然のことでしょう。公務員に関しても、解雇規定をきっちりと定め、雇用の流動化を図るのがよいというのが私の個人的な考えです。(一部のダメな職員のために真面目に働いている多くの職員までバッシングの対象になるなんて…。真面目に働いている職員はああいう公務員にもっと腹を立てるべきだ!)

 2つ目の根拠についてですが、現在、労働環境の正常化に重要な役割を果たすであろう厚生労働省及び労働基準監督署の職員数が不足しているという問題が生じています。労基署に関しては、現在の職員数ではすべての事業所を回るのに25年かかるそうです。これでは、労働基準法違反が野放しになるのは当然でしょう。労基署が相談にスムーズに対応し、また相談への抵抗感を軽減する施策を模索する素地を整えるためにも、労基署職員の職員数の増員や待遇の向上は有効な手段となるでしょう。彼らの人件費は、民間企業に勤める社員にとっては、自身の労働環境を守るための必要経費となるわけです。

 3つ目の根拠についてですが、これは現在の教育課程において、労働者の権利の実態について触れることがほとんどないことを問題としています。私の記憶をたどってみても、労働者の権利について学校で学んだことと言えば、労働三権について漠然と記憶しているくらいであり、具体的な法律の効力などは労働問題に関心を持つまで知りませんでした。実際、POSSEに相談を寄せる人の多くが労働者の権利や法律に関する知識をほとんど持っていないという話を聞きました。現在の労働環境の問題は労働者の権利意識の低さに起因することが多く、労働者自身がそういった知識を身に付けることがこの問題を解消する上で重要なポイントになると私は考えています。そういった権利教育の重要性にいち早く気づき、実践に向けて動いているNPOもあるようです。そんなNPOの一つ、あったかサポートの著書を紹介しておきます。
 『働く前に知っておきたい基礎知識

 また、教育にかける予算をケチることは、後々のコストを大きくすることにもつながります。極々単純化した例を挙げるとすれば、教育の質の低下が治安の悪化につながり、警察官及び刑務所職員の増員、被害者の公的支援といった形でより大きなコストとなる可能性もあるのです。警察官が多く必要な社会より、より予防的な方策に力を注ぐ社会の方がよほど暮らしやすいのではないでしょうか。

 今回の記事は全労働省労働組合(労働行政に携わる職員の労働組合―以下「全労働」)の活動方針に多くの部分で沿っています。全労働は労働環境の正常化のカギとなる機関となるのではないでしょうか。私は今後、全労働の活動を見守り、支援していくつもりです。

全労働とは

関連記事 政府の公務員給与削減提案に対する全労働の考え方 また、厚生労働省は11月1日から「労働時間適正化キャンペーン」を実施します。メールでの情報提供を受け付けるそうですが、期間を一ヶ月に限らず継続的に行ってほしいものです。

2011年10月22日 (土)

分断支配とどう向き合うか

 分断支配なんて耳慣れない言葉ですが、権力者が立場の弱い人を連帯できないように分けて支配する状態を指す言葉です。なぜこのようなことが起こるのかと言いますと、支配されている人達の中には、支配者に気に入られて少しでも得をしたい人もいれば、言いなりになることを拒否して支配者の権力を少しでも弱めようと抵抗する人もいるからです。支配の構造の中で自身の幸福を最大化しようとするグループと、支配の構造そのものを解消しようとするグループに分かれるのです。支配されている人達にはいろんな考えの人がいますから、この分断支配は自然に発生します。そして、それは支配者にとって非常に都合がいいことなのです。なぜなら、支配者に気に入られようとするグループの存在は、支配の構造を解消しようとするグループが相対的に損をするように機能します。また、2つのグループが対立しているうちは、支配されている人達が互いに攻撃しあい力が弱まるので、支配者に抵抗する危険性も低下します。

 例えば白人が黒人を奴隷としていた社会では、奴隷の中に何人かボスを選び出し、黒人が黒人を支配するようにしたといいます。ボスに選ばれた黒人は、待遇が他の奴隷よりも良く、他の奴隷に威張れることに気分を良くし、ますます使用者の白人に気に入られようとします。すると、黒人奴隷が一度に逃げ出したり白人を襲ったりする危険が減るのです。こうして、支配者だけが得をする構図が出来上がるのです。

 これを企業の経営者と労働者に当てはめてみると、今の労働者の置かれている状況がよくわかります。今の自分の待遇がおかしいと感じても、労基署や組合に相談するのはかなり抵抗がありますし、とても同僚に本音を話せる雰囲気ではありません。仮に自分一人が何かしらのアクションを起こしたとしても、その後職場で浮いてしまう可能性が高く(バッシングを受ける可能性もあります)、職場がブラックであるほど行動のリスクが高まると言えるでしょう。

 そこで私は、このデモを通して「じつはおかしいと思っているけど、どうしたらいいかわからない労働者」が少なからず存在することを明らかにし、じわじわとネットワークを広げ、経営者に取り入ろうとする労働者を少数派にしてしまおうと企んでいます。

 そのための方策は繊細に検討しなければなりません。経営者に取り入ろうとする労働者に怒りをぶつけても、何の生産性もありません。彼らもどんどん取り込んで、ネットワークを大きくしていきたいのです。

 分断支配は様々なマイノリティが長年知恵を絞って取り組んできた課題です。その知恵を結集させて、連帯の輪を広げていきたいと思います。

2011年10月19日 (水)

今健全に働けている人こそ関心を持ってほしい。

 今回企画しているのはブラック企業撲滅デモですが、今まともな条件で働くことができている人にこそ関心を持ってもらいたいのです。それは、酷い条件で働く労働者の増加→まともな条件で働いている人に対して「あいつら優遇されすぎじゃね?」→経営者も「あんな条件で働いている人もいるのに、君たちの給料はわが社のコストだ!残業代は払わん!」とか言い出す。そしてまともな条件で働ける人がどんどん減っていく。つまり、ブラック企業やワーキングプアの問題を放置しておくと、後々全ての労働者の待遇に影響が出てしまうのです。どうかあなた自身の立場を守るために、ブラック企業の問題に関心を持ってください。

 また、これから社会人として世に出ていくであろうお子さんをお持ちの方にも関心を持ってもらいたいです。「うちの子は某有名大学に通ってるから大丈夫」「事前に入社する企業をしっかり調査すれば問題ないでしょ?」なんて思っている方もいるかもしれません。しかし、ブラック企業は規模や知名度に関係なく存在しますし、企業全体を見ればまともでも部署によって部分的なブラック経営が行われているケースもあります。また、今は健全な経営を行っていても、今後ワーキングプアの増加等によりブラック化する企業が出てこないとも限りません。この社会では、人間らしく働けるかどうかはほとんど運次第といってもいいでしょう。だから、あなたのお子さんが社会に出る前に、少しでもブラック経営がしにくい社会にしておいたほうがいいのです。

私は何も「ブラック企業は潰れてしまえ!」と主張したいのではありません。経営を健全化し、社員を大切にする企業が増えてほしいのです。

2011年10月17日 (月)

反貧困世直し大集会2011 公務員も民間の社員も連帯せよ!

昨日、法政大学市ヶ谷キャンパスにて行われた「反貧困世直し大集会2011」に参加してきました。震災があぶり出した貧困というサブテーマの表すとおり、午前中のリレートークでは漁業関係者・県外避難者・被災地の自治体職員・高校教師など、様々な立場から被災地域の貧困の現実を伝えていました。

007_3

メインの会場の横断幕

午後の分科会には、「反貧困に民族の視点を!」「貧困と原発労働を考える」「廃案にさせない労働者派遣法改正!今こそ訴えたい、女性の非正規労働者問題」「精神障害者の排除・隔離拘禁を問う」などなど、多岐にわたるテーマで議論が行われたようです。

008

「野宿同好会」ってなに?とても興味深い

009 貧困問題に取組まない政治家はいらない!その通りですね。

私が参加したのは「なくそう!官製ワーキングプア」というテーマの分科会でした。官製ワーキングプアとは、おもに国の機関や自治体に勤務する非正規公務員のうち、勤務時間の削減やボーナス・退職金の不払いなどによりワーキングプアとなっている人たちのことを指す言葉です。そこで現場の人から聞いた現状は驚くべきものでした。待遇改善を訴えようにも、非常勤職員は組合に加入できない。非常勤職員の案件は団体交渉に応じない。3月31日解雇→4月1日新規採用とすることで、社会保険に加入させないし昇給もない(労災もないというから恐ろしい)。1人の職員を書面上は3人の別々の個人として雇い(月・木の勤務、火の勤務、水・金の勤務というようにシフトがわかれている)、社会保険に加入させない。このように法律の盲点を突き、正規職員と同じように働いているのに待遇を低いままに留めようとする公的機関が少なからず存在しているのです。「決定に従えないなら/組合と関わりを持ったら、ハローワークに行ってもらうしかない」という脅しを受けたという話も・・・。これじゃあやってることはブラック企業と同じじゃないか!こんなブラックな公的機関が存在するくらいですから、国が企業の違法な経営を取り締まることなど、現状では到底期待できません。「ブラック企業を取締るのは国の責任だ!なんとかしろ!」というデモもいつかやりましょう。

官製ワーキングプアの問題で気になるのは、こうして自治体が職員の給与を不当に引き下げることが、時として経費削減や節税としてポジティブに評価されてしまうことです。もちろん大切な税金を無駄使いすることは避けるべきですが、職員の給与を無駄遣いとみなすのはかなり危険なことです。ワーキングプアは、生活のためにはどんな条件でも働くしかないという「NOと言えない労働者」となり、そのような労働者が労働市場に参入してくれば、正社員の待遇も脅かされるのです。原因が民間企業にあろうと公的機関にあろうと、ワーキングプアの問題の解消はすべての労働者の立場を守ることになるのです。最近よく「公務員の待遇は高すぎる!」という批判を耳にしますが、民間企業の社員も公務員も賃金を得て働く労働者という点においては利害が一致しています。立場の異なる労働者が自分たちだけの利権を守るために「あいつらの給料は高すぎる!」などと対立していては、互いの待遇をどんどん悪くしていくだけです。それで得をするのは経営者だけです。ある特定の業種が優遇されていると感じたら、「あいつらの給料を下げろ!」ではなく「オレたちの給料も上げろ!」と主張しましょう

(※公務員の平均所得と民間企業の平均所得を比較して公務員の高待遇を強調する記事などもみかけますが、あれには数字のトリックが含まれているそうです。それについては別の記事で取り上げます。)

公務員と民間企業の社員の連帯が重要なことは、セーフティネットが弱者だけでなく正社員の立場を守る機能も果たしているという構造と似ています。詳しく知りたい人は、反貧困ネットワーク事務局長:湯浅誠氏の著書を一読することをお勧めします。
正社員が没落する――「貧困スパイラル」を止めろ!
岩盤を穿つ

「思いやりを持て」とか「誰にでも優しくしなさい」とか、学校の先生のようなことを言うつもりはありません(おっ!)。ただ、立場の異なる労働者が連帯することが、貧困の解消に不可欠であると言えるでしょう

011

解散後は外濠に面したカフェでまったり。(なんかブログっぽいぞ)

2011年10月16日 (日)

人の命はかくも軽い

ヒーローものの映画なんかだと、壮絶な死闘の末、主人公の命と引き換えに悪は消え去り世界の危機は回避されたりしますね(ずいぶんベタですが)。作品によっては、世界のために犠牲になるのは主人公の愛するヒロインの命だったりしますが、映画の世界では1人の人間の命は世界を大きく変えるほどの重みを持つようです。

しかし、現実には人の命がそのような効力を持つことはないようです。以下のサイトに1988~2005年の過労死労災認定件数の推移がまとめられています。

過労死・自死相談センター
http://karoushi.jp/ 左のメニュー「認定件数」

不勉強で認定基準についてはよく知りませんが、年間の申請数が800を超えるという事態は恐ろしいとしか言いようがありません。

また、問題は過労死だけではありません。この国では、年間自殺者が3万人を超える年が10年も続いています。自殺対策支援センター ライフリンクによると、自殺の原因・動機のうち31%が「経済・生活問題」、6%が「勤務問題」となっています(平成17年の統計)。

自殺者統計
http://www.lifelink.or.jp/hp/statistics.html

このように、日本には働くことが原因で命を落とす人がかなり多くいます。過労死や自殺は、避けられる死です。病死や老衰とは違います。制度や意識を変えることによって避けられる死です。これまで多くの命が失われてきましたが、その反省は活かされず、今でも死に追いやられる人が多く存在しているでしょう。正義漢ぶって「命を大切にしろ!」なんて訴えるつもりはありません。あるのは、このような悲惨な死の上に胡坐をかき、利益をむさぼる卑劣な人間への怒り。そしてこのような状況に目を背けてきた人たち(もちろん自分も含めて)への不信です。私は労働により命を落とすのなんて御免です。労働により不幸になるなんて我慢なりません。私にできることをし、そうしたことを避けようとただ単純に思うのです。

2011年10月15日 (土)

ブラック企業とは/なぜブラック企業なのか

2009年に公開された映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』の公開をきっかけに、「ブラック企業」という言葉は広く知られるようになりました。元々はネットスラングだったのか定義が曖昧な言葉ですが、従業員に劣悪な環境や条件で働くことを強要する企業の総称という解釈が一般的でしょう。もう少し具体的にその特徴を挙げると

・サービス残業や休日出勤の強要(拒否できない社風)
・健康を損なうほどの長時間労働
・低賃金
・高い離職率
・社会保険に加入できない
・労働組合が機能していない
・自主退職に追い込むためのパワハラがある
・退職を決めた従業員への嫌がらせがある

などなど、細かいものを上がればキリがありませんが、従業員から搾取しめちゃくちゃにしてしまうのがブラック企業と言えるでしょう。
ブラック企業の実態や、万が一ブラック企業に入社してしまった際の対処法を詳しく知りたいという方は、NPO法人POSSE 今野晴貴・川村良平 著『ブラック企業に負けない』をお勧めします。また、NPO法人POSSEではブラック企業相談ホットラインという相談活動を行っています。もしブラック企業がらみで緊急に解決したい問題がある場合には、迷わず連絡してください。

さて、今回企画しているデモは「ブラック企業撲滅デモ」です。この不条理だらけの社会をよくする活動として、なぜ標的をブラック企業としたのか。それは、私が実際に働いてみて、その非情なまでの大変さを身をもって知ったからです。そして、人生における労働の意味を問い直す必要性を感じたからです。私が勤めているのは公立の中学校であり、地方公務員である私が民間企業に物申すというのは変な印象を受けるかもしれませんが、公務員も一般企業の職員も労働者という立場に違いはありません。私が活動を行う動機については、プロフィールを参照していただけると助かります。

人生において、働くという営みは生活の糧を得るために不可避なものです。誰しもが何らかの形で労働に関わっていることになりますが、その労働を通して心身を―場合によっては再帰不能になるほど―病み、時には命を落としてしまう。ここには大きな矛盾があります。生きるために必要な労働によって命を落とすことになる。これはあまりにもおかしいではないですか。また、私たちはただ生命の維持だけを存在の目的としているのではなく(何やら哲学的なことを語りだしたぞ・・・)労働の対価として得た富をどのように活用するかによって、人生を豊かにしていくものです。しかし、労働によりそういった余暇時間さえ奪われてしまっては、もはや何のために働き、何のために生きているのかわかりません。この科学技術の高度に発達した社会においても、日本という経済大国においても、奴隷と呼ぶにふさわしい生活を強いられている人が少なからず存在するという事実に、私は強い疑問を抱いています。

そして、私が最も疑問を感じるのは、そのような状況を人生の先輩方はなぜ放置してきたのかという点です。また別の記事でも述べたいと思いますが、どうやらこの国には独特の労働観・人権意識があるようなのです。それらは決して合理的と呼べるものではなく、私はこの活動を通じてそういったものにはっきりとNOを突きつけたいと思っているのです。ブラック企業への糾弾は、すなわちその存在を仕方のないものとして受け入れてしまう風潮へのテコ入れというわけです。

私と同じような疑問を抱いている人は少なからず存在すると信じています。今こそ団結するべき時です

トップページ | 2011年11月 »

2015年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック