フォト

twitter

ほしい物リスト

無料ブログはココログ

« BREAD AND ROSES 8 観覧してきました! | トップページ | 「教員ユニオン」構想 »

2011年12月18日 (日)

第17回ユニオニズム研究会 ~日本の労働運動の問題点とは~

 社会運動ユニオニズム研究会とは、「2007年にスタートした「労働ビッグバン研究プロジェクト」を継承し、今後の労働運動のあり方や運動戦略を研究者と実践家が一緒に議論していきます。」という趣旨の研究プロジェクトだそうです。詳しくはサイトをご覧ください。社会運動ユニオニズム研究会

 さて、私が参加してきたのは、第17回「香港のNGOから学んだこと」です。報告者は、香港のNGO(Asia Monitor Resource Centre)で7ヶ月ほどインターンをしてこられた平野太一さんです。彼が滞在した香港や中国の労働組合の職員、労働運動に携わる様々な人々へのインタビューをまとめた映像作品の上映があり、これらの国の労働者が置かれている状況がよくわかりました。その後質疑応答や参加者による討議があったのですが、参加していた方々の肩書も様々で、非常に有意義な時間となりました。働く女性の全国センター日本ILO協議会全国安全センター労働調査協議会などの機関に携わる人たちは労働者の権利の国際情勢にも詳しく、非常に勉強になりました。

 私が今回関心を持ったのは、なぜ労働組合は政治色を帯びやすいのかという問題です。例えば香港では、香港労働組合連合(最大の組合員数をもつ親中左派系)、香港九龍産業総工会(親台湾派の右派系)という二つのナショナルセンターが長い間勢力を保持していたようです。それが香港返還後に新興産業の参入に伴い、香港職工会連盟(派閥間闘争に属さず、独立した労働者たちで組織されたナショナルセンター)が設立され、組合員数を伸ばしているとのことでした。政治的な信条に関わらず、純粋に待遇改善を求める層が増加しているのです。これはまさに私が置かれている状況に近く、強い関心を抱きました。というのも、教員にとっての労働組合は教職員組合ですが、左派的な色合いの強い団体であると知られています。そして、その政治色の強さが加入率の低下の一因になっているのです。特に私と同じ年代の職員からは「教員にも労働組合は必要だと思うけど、今の教職員組合の方針には賛同できないから加入しない。」という声を聞くことが多くあります。私個人の意見としては、1人の教員が政治的な信条を持つことは自然なことであるし、同じ信条を持つもの同士が団体を結成し、活動を行うことになんら問題はないと考えています。しかし、それと労働組合としての役割は切り離すべきです。政治的信条に賛同できない者を排除するという事態が現実に起こっているからです。政治的に中立の立場を取り、純粋に労働条件の改善を求める組合が必要だと私は考えています。

 なぜ労働組合が政治色を帯びやすいのかという問いに関しては、日本ILO協議会の職員の方が詳しく回答していただきました。まとめると以下のようになります。
 ・労働条件の決定が法定主義を取る以上、組合から議員を輩出するなどの手段を取るのが主張を通す上で有効であり、既存の政治政党との結びつきを強くすることがある。
 ・産業政策に大きな変更がある際、自身の携わる産業の拡大を目指し、労使が提携して特定の政治勢力を支援することがある。
 ・既存の政治勢力が政治的な主導権を獲得する手段として労働問題を扱うことがある。

 たしかに、労働は国勢に大きくからんでいて、政治の問題と切り離して考えることは不可能でしょう。しかし、こういった背景により生じている問題もあります。政治勢力が労働問題をリードする場合、その団体の政治的信条に多くの労働者がついていけず、支持を失っていき活動が先細るといった事態が生じます。また、政治的な権力を有する人物が組合内でも発言権を得やすく、現場で働く者のニーズを正確に捉えきれないという問題も生じます。特に日本の労働組合にはこの傾向が強く、労働組合と労働者の間に溝が生じ、労働組合の当事者意識が希薄化してしまうのだそうです。そういった事態に陥らないようにするため、「当事者のできることは極力代行してはならない!」という信条を掲げ、労働者が自ら講演などの活動を行えるようにエンパワーメントを主な活動としているNGOなども存在するようです

 さて、こういった情報を得た私は、「教職員組合に代わる純粋な労働組合」の設立について、本気で検討を始めようと思いました。どこまで実現可能なのか、すでに同じような活動をしている団体はないかなど、いろいろ調査していきたいと思います。

« BREAD AND ROSES 8 観覧してきました! | トップページ | 「教員ユニオン」構想 »

社会」カテゴリの記事

コメント

私も某個人加盟労働組合に所属していますが、労働組合は労働法や憲法を守り労働条件を改善向上させる経済闘争が運動の主体とならなければ労働組合の存在意義が問われると思いますし、いきなり政治闘争や思想闘争はメインになってはならないと思います。

でないと本当の意味で連帯団結とはなりません!

コメントありがとうございます。そのとおりですよね。労働組合の本分を無くしてしまっては、本当にその組織を頼りたい人は行き場を無くしてしまいます。そうなりつつある教員はどうなってしまうのでしょう。今後も動向を見守っていただけるとありがたいです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1588989/43420547

この記事へのトラックバック一覧です: 第17回ユニオニズム研究会 ~日本の労働運動の問題点とは~:

« BREAD AND ROSES 8 観覧してきました! | トップページ | 「教員ユニオン」構想 »

2015年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

最近のトラックバック